神輿が出ない 三社祭

神輿と大行列が出ない三社祭が終わりました。

戦後の三社祭で、神輿の渡御が無いのは初めてのことで、もちろん私たちにとっても初めての体験でした。

例年、祭り直近になると祭り囃子が聞こえ浅草の各家の軒先には「しめ縄と祭り提灯」を飾ります。いよいよ三社の時期がやってきたと気分も盛り上がるところです。ところが、今年はお囃子もなく提灯を見かけたのは当店の向かいの商店会くらいだったようです。当日になって「そうか、三社祭の日なんだ」と思った氏子も多かったと思います。

 

21日の土曜日朝、開店前に浅草神社と浅草寺にお参りに行ってきました。本来なら四十八ヶ町の神輿が浅草寺裏に集合して大勢の観客・担ぎ手で大賑わいの日です。例年、境内を所狭しと埋め尽くす露店も西側に数件見えるだけで観光客もまばらでした。

鳥居や神社の飾りつけや幟は例年通りでした、三基の宮神輿も神輿庫に飾られていました。浅草神社奉賛会の知人の顔を見つけると、思わず「やっぱり寂しいね」とお互いに言葉を交わしました。

夜は、祭の会の人達を呼んだ宴会がありました。彼らは、担ぎ手のお手伝いとして毎年来ていただいている祭の同好会の方たちです。何もないのは寂しいということで、町会の青年部が主催して催されました。私も役員として終わり頃に少しだけ顔を出してきました。

日曜日は、雨模様で人出も少なく寂しい祭りの浅草でした。月曜日、例年ですと祭りの余韻にひたりながら、お神酒所を片付け神輿や道具をしまいます。それさえもなく、毎年当たり前のようにやってきて繰り返してきた「氏子にとっての祭」がないというのは本当に不思議な感覚の体験でした。